自作自演のビデオ作品
《メイキング》2006

映像に映る自分や録音された声に違和感を持ったことはありませんか。映像に映るものと、自分の眼で見た現実との違い。人間 (動物)は、生まれてから出会う事物に対し、絶えずそれが何か(まず危険か安全かなど)、瞬時に記憶を総動員し、判断しながら生きて います。つまり、経験を積むほど、多くの情報やイメージなど先入観を持って判断しているわけで、あるがままに認識できている かアヤシいものなのです。泉さんは、そのように複雑な回路を持つ知覚や認識の仕組みをなぞってみます。その際に、自身を素材や道具の ように扱い、不自由さを伴うゲーム遊びのなかで、知らなかった自分をも発見しているようです。