2008年6月30日月曜日

泉太郎はいったい、なぜあんなことを!? vol.1

新作の公開までに、これまでの作品をピックアップしてご紹介。題して「泉太郎は、いったいなぜあんなことを!?」。

自作自演のビデオ作品  

《メイキング》2006

紙袋でつくった猫のお面を被り、「そのガードレールに登ってみて」「壁を蹴ってみて」という指令 に従って行動しています。指令の声も泉さんが声を変えて出していますが、ビデオの後ろから、役者に向かって演出しているような距離感に見え/聞こえます。


映像に映る自分や録音された声に違和感を持ったことはありませんか。映像に映るものと、自分の眼で見た現実との違い。人間 (動物)は、生まれてから出会う事物に対し、絶えずそれが何か(まず危険か安全かなど)、瞬時に記憶を総動員し、判断しながら生きて います。つまり、経験を積むほど、多くの情報やイメージなど先入観を持って判断しているわけで、あるがままに認識できている かアヤシいものなのです。泉さんは、そのように複雑な回路を持つ知覚や認識の仕組みをなぞってみます。その際に、自身を素材や道具の ように扱い、不自由さを伴うゲーム遊びのなかで、知らなかった自分をも発見しているようです。

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