他者の動きをたどる。ズレ
《キュロス洞》2005
変わっていくテレビ画面をなぞり、消してはなぞります。
3次元を2次元平面に置き換えるとき、西洋絵画では遠近法を用います。遠近法とは、視点の前に置いた「投影面」に、それを通過する光を写し取る、つまり窓ガラスを通して見える光景を窓ガラス表面に直接描画するようなこと。その3次元を2次元に置き換えるときのズレやもどかしさが表れています。また、自分で自分をコントロールしないよう、他者の動きに乗っています。これは、身体の動きと直結したドローイングの構造を持っています。また、描かれては消えるイメージ。確固たる自分があるのではなく、絶えずこのように推移しているともいえそうです。
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