2008年7月4日金曜日

泉太郎はいったい、なぜあんなことを!? vol.2

自分がいっぱい

《ライム湖底》2006

画面の中に、自転車に乗った人がやってきます。監視カメラのように、画面の外にいる人物が画面をピシャッと叩くと、画面の中に映る人がベチャッとつぶれて服だけになります。


《メイキング》同様、<見る><見られる>の関係がここにはあります。「自分らしさ」とよく言われますが、私たちはいろいろな服を着るように、環境や条件や対象によって常に動いています。他者から見たイメージも複数で、それを鏡のように受けて捉えてもいます。本能的にも、経験によっても変わるのではないでしょうか。服は脱皮した抜け殻のようにも、どれもこれも自分のようにも見えます。それとも何か最後の最後に核のようなものがあるのか……。
子どもはよく、触れられない何かに向かって画面をピシャピシャ叩きます。また、その動作はペインティングのようでもあります。

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